エンジニアの技術で企業や社会のITインフラを支えてきたgroxi。創業30周年を機に社名変更するタイミングで、MI(マインド・アイデンティティ)開発、VI(ビジュアル・アイデンティティ)開発、コーポレートサイト開発、各種ツール開発を行いました。
リサーチ〜MI開発
今回のプロジェクトではCIリニューアルに際し組織の求心力を向上させるという目的を掲げていました。並行していた採用サイト開発プロジェクトとも接合しながら、今の仲間やこれから仲間となるターゲットに向けてどのように企業メッセージを打ち出すかということが課題となりました。
まずは全社員を対象とし、組織やキャリアで重要視していることについての意見調査を実施しました。在籍期間、勤務地、組織階層などの属性からアンケート結果を分析することで、ボードメンバーとメンバーの認識や差異を可視化しました。ターゲットに打ち出す方向性は、代表および役職者へのデプスインタビューから定義。また、アンケートだけでは収集できない潜在ニーズを引き出すため、「採用したい人物を考える」をテーマにメンバーを対象としたワークショップも実施しています。ワークショップではメンバー自身に採用者の視点で同社の理想像と現状を考え、要素化し、そのギャップを埋める発想をしてもらうことでインサイトを抽出していきました。
アンケート結果とワークショップの内容から社員のニーズを明らかにした後は、その内容を深堀りするべく、ボードメンバー向けにCI(コーポレートアイデンティティ)を言語化するワークショップを行いました。組織の現状と理想像について共通認識を持ち、言語化を行うことで、組織のビジョンと現状とのギャップを明確化。きれいな言葉ではなくgroxiの考える束縛のない自由さを伝えたいという想いから、「わがままで、感謝される。」というコピーを開発しています。
VI(ビジュアル・アイデンティティ)開発
VIでは、MI(マインド・アイデンティティ)を起点にCI(コーポレート・アイデンティティ)が、どのタッチポイントでも矛盾なく直感的に理解できるよう設計しています。統一された世界観を目指すため、まずはロゴ開発から着手しました。MI開発時にクライアントから上がった「LIBERTY勝ち取る自由」と「わがままする」という言葉から想起される印象を接合した上で、「全身全霊で自らの身体を動かす人」をメタファーに設定し、ロゴマークで体現しました。提案時には、最終的なビジュアルやコンセプトだけでなく、VI開発における思考プロセスを時系列に沿って全て視覚化し、常にクライアントがVI開発全てのプロセスに関わり、意思決定をする状態を意識しました。ロゴ開発後は、要素を分解し、カラー設計とタイポグラフィを定義したのち、タッチポイント別のツール開発を行っています。ここでも、groxiらしさを体現するために封筒などではロゴの一部が後ろに回り込む=枠にとらわれない=わがまましている、といった視覚的な工夫をしています。
コーポレートサイト開発
ステークホルダーへインタビューを実施し、コーポレートサイトの目的を明確にすることから始めました。結果、CIリニューアルにおける企業イメージ刷新を目的として設定しつつ、具体的な利用目的を持つセールス及び採用ターゲットが存在していたため、各ターゲットが素早く目的を達成できる導線も確保しました。視覚設計においては、イメージ刷新の印象を強く訴求するために、サイト訪問から求める情報へ達するまでの過程において、「わがままで、感謝される。」という企業のアイデンティティを、タイポグラフィを大胆に使ったオープニングアニメーションや斜めに流れるタイポグラフィを用い視覚的に感じてもらえるようデザインしています。