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実績

書籍『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』装丁デザインプロジェクト。

株式会社ミミクリデザインCEO 兼 株式会社DONGURI CCO 安斎勇樹と京都大学総合博物館准教授 塩瀬隆之氏による共著『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(学芸出版社)の装丁デザインをDONGURIが担当しました。

『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』は、ワークショップデザインとファシリテーションの戦略とスキルを解説した書籍です。近年、企業の商品開発や組織変革、人材育成、学校教育、地域活性化など複雑化した様々な課題を解決する手段として、ワークショップが注目されています。本著では「問い」と「対話」を戦略的にデザインすることで、問題の本質を見抜き、正しい課題を設定するための思考や、関係者を巻き込み課題を解決する方法論について解説しています。

本著について、DONGURIがカバー・帯・表紙の装丁デザインを担当。「問い」が持つ本質的な意味を視覚化し、装丁そのもので思考のゆさぶりを起こすコミュニケーションをデザインしました。

要件のヒアリング・リサーチ

初めに、出版社の担当者と著者2名とともに、本書に求められる仕様や体裁などの要件を確認。入稿までのスケジュールや、想定するカバーデザインの方向性についてすり合わせを行いました。
結果として、学術的な研究を踏まえた方法論と、ビジネス現場での実践ノウハウという二軸を持つことが本書の特徴となることから、実用面で書名およびサブタイトルの視認性を高くしながらも、主題となる「問い」を連想させる視覚的なモチーフを取り入れていく方向となりました。
ヒアリングを踏まえ、流通する一般的な書籍や、本書の類似カテゴリの書籍の装丁デザインをリサーチ。合わせて、装丁のみにとどまらず幅広い分野での「問い」の表現手法や、デザインのトーンについてリサーチを行いました。

デザイン提案

リサーチを経て、本書で述べられている「問い」や「ワークショップ」の理論について、どのような切り口の表現で接合を試みるべきか、様々なモチーフ・手法を検討。初回は10案という方向性の異なる多くのラフデザインを提案することで、著者との対話のトリガーを多く設けました。
ラフデザインをもとに著者との対話を重ね、本書で語られている「問い」の本質的な意味を適切に表す視覚的なモチーフを選定。錯視を用いた表現や、モチーフの一部を隠すことで「問い」を生み出す意図的表現など、最終的なデザインの主軸となるエッセンスを抽出しました。
並行して、表紙と帯、カバーに使用する紙の選定にも着手。要件とデザインの方向性に合わせ、質感や厚さの異なる複数の紙を提案しました。

対話を重ねてカバーデザインをブラッシュアップし、最終的に4つの案を提案。カバーデザインの候補としては、複数の書籍を並べると途切れた文字が繋がる仕掛けを施すことで「対話」に繋げる案や、帯の下に「?」マークを隠すことで読者が思考を巡らせる案、物事を捉えるまなざしを変える「リフレーミング」を想起させる案など、文字や色のバリエーションを変えた複数のデザインパターンの提案を行いました。

採用となったのは、著者からの「一瞬で場を変えてしまう、会心の一撃のような問いを表現したい」という要望をもとにした「Q」と「リフレーミング」をモチーフとしたデザインでした。採用案では、物事を見るまなざしを変える問いの力を「Q」をモチーフに表現。問いの本質である「問題を捉えるまなざし」を「フレーム」の仕掛けとしてデザインしました。

カバーを外した表紙は同デザインを継承しながらも、黒色ベースで「Q」の一文字を象徴的に示しています。装丁自体にも「問い」の仕掛けを凝らすことで、手に取る人に思考のゆさぶりを起こすコミュニケーションを設計しました。

デザイン決定のプロセスにおいては、ミミクリデザインとDONGURIが主催する「WORKSHOP DESIGN ACADEMIA(WDA)」の会員からの投票も行いました。このアンケート結果ではいずれの案の人気も高かったため、各案について印刷用のPDFデータをWDA会員限定で配布し、各々がブックカバーとして好みのデザインを使用できるプロジェクトの実施も決定しました。

AGE
2020.08-
DIRECTION
吉野拓人
DIRECTION
高田洋明
DESIGN
吉田直記

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