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ブランドマネジメント

BRAND MANAGEMENT

ブランドマネジメントとは?企業での重要性と、回避すべきアンチパターン

ブランドマネジメントとは何か?意味・定義

ブランドマネジメントとは、ブランドを構築した上で、ブランドの認知量/質を継続的に担保するために、適正な体制をつくりあげて管理することです。ここでいうブランドとは、コーポレートブランド、個々のサービスや商品のブランド、どちらも含まれます。

ブランドと消費者の接点が複雑化している現代においては、ブランドマネジメントの難易度も上がっているといえるでしょう。現場主導で自律的に動きながらもブランドを保持できる体制を作れるかが、ブランドマネジメントの鍵となります。

ブランドマネジメントの重要性――ブランドは企業の資産

ブランドは企業にとって「資産」です。ブランドの認知量/質は、企業のあらゆる活動に影響を与えます。十分に認知された企業ブランドおよび製品ブランドがあれば、営業活動/採用活動/販促活動/その他の活動全般によい成果をもたらすでしょう。

そのブランド資産を維持するためのブランドマネジメントの重要性は、おのずとおわかりいただけると思います。

一貫したブランドイメージや体験を消費者に提供するのは簡単なことではありません。一企業が保有するブランドの数が増えれば、管理は複雑になります。また、組織が細分化されるにつれ、横断的にブランド体験を設計する体制を作るのが難しくなるでしょう。

短期的な売上や利益ばかりを重視した結果、ブランドを毀損するような施策をとってしまうケースもあるかもしれません。そうなればその影響が、企業内の別のブランドにまで及ぶ可能性もあります。

ブランドを企業にとって望ましい状態に導き、その状態を保ち続けていくために、ブランドマネジメントは欠かせません。その重要性を認識し、しっかりと取り組むことが大切です。

ブランドマネジメント=マニュアル作成&チェック体制構築ではない

ブランドマネジメントに取り組み始めるときにありがちなのが、専門部署を立ち上げて担当としてデザイン、ブランディングの専門知識がある人材を採用し、分厚いブランドガイドラインを作成して各事業部に配布、チェック体制を敷く……というケースです。

現場を知らない人がテンプレートに沿って作ったガイドラインとそのチェックフローは、現場の負担になります。やがてルールも守られなくなり、チェック体制も破綻するでしょう。

ブランドの指すものが「企業そのもの」「個々の商品」など様々であれば、当然ターゲットユーザーやペルソナ、アプローチ方法もそれぞれ異なります。それぞれの状況にあったガイドラインとチェック体制があるべきです。それなのに画一的に管理しようとして、せっかく部署まで立ち上げたのに成果が出ないというケースは少なくありません。

しかし現在も多くの人が、ブランドマネジメントとはブランドガイドラインを作成してそれを厳守することだと誤解しています。

ブランドマネジメントは組織全体で進めるもの

上記のようなアンチパターンに陥らないためには、ブランドマネジメントを全社的な問題として捉え、ブランドを維持していくための組織体制から考える必要があります。誰かが単独で作成したガイドラインを全社に配布して守らせるのとは全く異なるアプローチです。

全社で横断的に取り組むべきポイントと各事業部に裁量を与えるポイントを切り分け、それぞれが連動してフィードバックと改善を繰り返しながら、流動的にブランドをコントロールしていく。それが現代のブランドマネジメントの最適解だといえます。

ブランドマネジメントを機能させるための組織設計

そのためにはまず、自社が保有するブランドとその位置づけ、複数あるブランド間の関係性などを全て整理する必要があります。その上でブランド資産を維持するために何をすべきかを考えましょう。

ブランドマネジメントの担当がするべきことは全社にルールを配布することではなく、全社を巻き込んでブランドマネジメントのためのオペレーション設計を作り上げることです。

施策のうち、全社で横断的に取り組むべきものは何か。各事業部に任せるものは何か。これらを切り分けた上でブランドイメージ統一と現場の動きやすさ、スピード感のバランスをとり、ブランドマネジメントが正常に機能する組織体制を作り上げていきます。

こういった本質的なブランドマネジメント体制を実現するためには、ブランド構築だけでなく組織設計にも精通している先導者が必要です。しかしそういった経験がある人材は多くないのも事実。ブランドマネジメントに本格的に取り組むにあたってはそういった点に留意し、外部の専門家を活用する選択肢も含めて最適な方法を考えていきましょう。

ブランドマネジメント変革の手法

ブランドマネジメントの設計は企業の固有の要件によって変わるため、決まった手順やフレームはありません。

私たちがクライアントのブランドマネジメント変革を支援する際も、決まった型を当てはめるのではなく、組織の皆さんと対話し体験してもらいながら、ハンズオンで組織を変革していきます。以降では、具体的にどのような支援をしているのか、いくつかの手法をピックアップして紹介します。

ブランド戦略室の設置

中長期的な視点が必要なブランドマネジメントは、マーケティングやセールス部署の短期行動KPIとしばしばバッティングします。これを避けて俯瞰的な視点でマネジメントを行うには、既存部署がブランドマネジメントを行うのではなく、ブランドマネジメント専門の部署を立ち上げるのが理想です。

ブランド言語/視覚ガイドライン

旧来のブランドガイドラインの多くは、簡易なテキストマニュアルでした。しかし組織や業務の複雑化により、ブランドの発信の仕方や顧客と接する場面は簡易マニュアルでは対応しきれないほど多様になってきています。

DONGURIでは、発信する言葉や視覚デザインの観点でどの様な人格性や距離感を持って顧客に接するのかを定義したガイドラインを作成する支援を行っています。

ブランドデザインシステム

ブランドガイドラインは絶対的なものではなく、ニーズや時代背景に合わせて変化していくべきものです。常にガイドラインを最適な状態に保つためのナレッジマネジメントと、それを軸に各部署機能や業務ツールへ適応したブランドデザインシステムを設計・構築します。

インナーブランディング

ブランドマネジメント専門部署があったとしても、ブランドを体現するのは一人ひとりの社員です。所属するメンバーの行動や発言の積み重ねによって、ブランドイメージは形作られていきます。行動原理を共通言語化し、各個人がブランドの軸にそった判断をできるような環境を整えることもブランドマネジメントの範囲です。

アウターブランディング

どんなに魅力的なアイデンティティを持つブランドだったとしても、顧客に適切に届けられなければブランドイメージが形成されることはありません。ブランドをリーチさせるためのペルソナ検討、ファネル分析、経路開拓を含めたPRマネジメントも行います。

ブランドマネジメントは、組織設計から考える

本物のブランドマネジメントとは、表面的なものではなく、組織の変革をともなうものです。一人ひとりの社員がブランドの一部なのだという意識を持てる組織体制を作り、以降も改善を繰り返しながら柔軟に変革していける。そういう環境を作り出すことが、ブランドマネジメントの成功パターンです。

ここで挙げたブランドマネジメントの施策はあくまで一例でしかありません。それぞれのブランド、それぞれの組織の状況に合ったマネジメント方法を見極めて、取り組んでいってください。

デザイン思考

あなたの場所を
もっと楽しく。

YOUR PLACE, MORE FUN.

戦略を作るだけではなく、DONGURIの専門家がチームを組み、ハンズオンで事業や組織をもっと楽しい場所にします。お悩みの課題について、ぜひお話しください。