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UXリサーチ

UX RESEARCH

UXリサーチとは。成功事例で見るプロダクト開発での活用法

UXリサーチとは何か

UXリサーチとは、プロダクト開発において、ユーザー起点で定性的な情報を収集しながら「仮説」を組み立て、情報を構造化し整理することです。UXリサーチは、実際のステークホルダーに対するインタビューを始めとした定性リサーチを主体とすることが多く、定量情報では見えないユーザー心理などを加味した仮説構築、施策立案などが可能です。

UXリサーチにおいては、ユーザーの真のニーズを掘り下げるために、1対1もしくは少人数へのインタビュー実施や、ユーザーの実際の行動観察を通して、真のユーザー心理やユーザーニーズを明らかにすることを目指します。

プロダクト開発においてはユーザーの心理や行動が開発の意思決定に必要な情報となるため、UXリサーチは非常に重要です。

プロダクト開発にUXリサーチを取り入れるメリット

UXリサーチをプロダクト開発に取り入れる代表的なメリットとして、次の2つが挙げられます。

①プロトタイプ開発のための情報をより迅速に得ることができる

プロダクトの立ち上げ期にはスピードが重要ですが、適切なUXリサーチを取り入れることで、より迅速な立ち上げ・プロトタイプ制作が可能になります。

UXリサーチの主たる手法である定性リサーチでは、定量リサーチと比較してより迅速にユーザーニーズを収集することができます。プロダクトを形にするために必要な情報を素早く集められるため、結果としてプロトタイプを開発するまでのスピード感を高めることができます。

②プロダクト開発が停滞したときの突破口になる

プロダクト開発がある程度進行した段階においては、チームとして開発を進めるうちに、全体の開発進行が調整されないまま機能別の役割分担が進み、部分部分での個別化・孤立化が発生することがあります。この場合、進行が非効率化して開発が停滞したり、あるいはプロダクト全体の目的意識にズレが生じてモチベーションの下がることにつながり、進捗が妨げられます。

このような状況の兆候があるとき、UXリサーチを行うことを通して、これまでの仮説に留まらない改めての優先度付けや意味づけを行うことができるようになり、プロジェクト全体を適切に再編したり、関係者の主体性を引き出すなど、適切な変化を生み出すことを期待できます。

ステークホルダーが「ユーザーの体験」への目線を合わせることの重要性

UXリサーチを通してより良いプロダクトを素早く生み出すためには、リサーチを元に仮説を立て、施策を行い、改善につなげていくことが必要です。

そのため、UXリサーチによって得られたユーザーのインサイトに対して、プロダクトに関わる人全てが当事者意識を持つことのできる環境の設計が重要になります。

たとえば「開発者は機能面ばかり重視する」「マーケターや営業は売りやすさや市場優位性に最優先する」「プロダクトマネージャーは納期や予算・リソース調整に粉骨砕身する」…といったように、目的に沿わない形で各々が自分たちの役割のみにフォーカスしてしまうと、プロダクト全体を見渡す視点が弱まり部分最適になってしまい、プロダクト開発が遅滞しつつユーザー体験も損なわれます。

UXリサーチで判明したイシューに対する当事者化を促進する「サービスデザイン」

イシューの当事者化を促すための方法はいくつかあり、たとえば一例としてはワークショップをはじめ、デザインゲーム、ファシリテーションなどが挙げられますが、こういったステークホルダーの当事者化を促進するプロセス・手法の総称を「サービスデザイン」と呼びます。

UXリサーチは多くの場合、このサービスデザインとセットにして推進することで、より効果的なものとすることができます。サービスデザインの存在により、UXリサーチで得られたユーザーのインサイトをもとに、関係者間でプロダクトの全体像を共有しながら開発に反映するプロセスを実行できるからです。

UXリサーチを活用したサービス・プロダクト開発の事例

ここでは、UXリサーチを活用した事例を3つ紹介します。定性情報をプロダクト開発・サービス開発に活かす際の参考事例です。

事例①株式会社金太郎飴本店

株式会社金太郎飴本店
http://www.kintarou.co.jp/files/original_special/

株式会社金太郎飴本店の、事業拡大に向けた新たな販路開拓のためにプロダクト開発事例です。

金太郎飴の持つ「昔ながら」「親しみやすい」というイメージにとらわれない新しいプロダクトを生み出すべく、百貨店のハイブランド製品を利用しているユーザーにターゲットをあててUXリサーチを実施。

その結果、「贈答品やお土産向けの商品」という可能性と、そういったユースケースにおいてユーザーが求めるポイントが「高級感や、特別感を演出できるカスタマイズ性」であることが判明しました。

リサーチを受け、結婚式の引出物など金太郎飴が利用されるイメージがあまりないニーズへ対応する商品のプロトタイプを作成。最終的には3種類のプロダクトを開発しましたが、いずれも懐かしさや親しみやすさのあるパッケージでブランドイメージを維持しつつ、贈答品に相応しい高級感もあるパッケージとなっています。特にオリジナルデザイン飴のプロダクトは記念品やノベルティ、結婚式のプチギフトなどでも活用されるようになりました。

事例②葉山シャツ本店株式会社

葉山シャツ本店株式会社
https://www.hayama-honten.com/

葉山シャツ本店株式会社では、ブランドのこだわりと魅力を十分に伝えたうえでスムーズに商品を購入してもらうためのブランドサイトの構築において、UXリサーチを活用しました。

ブランドのターゲットにUXリサーチを実施し、「なぜ」こだわりのブランドを選ぶのか、そこに「何を求めている」のかを掘り下げ、メッセージの表現を磨きました。

リサーチを経て、「こだわりを纏う 今日から生き方を変えたいと思った。」というコンセプトを軸としてキャッチコピーやメッセージを開発。コンセプトページのビジュアルや言葉、インタラクションなどは、このブランドの世界観を伝えるものとなっています。

また、ECページへの導線も工夫されており、コンセプトやこだわりを伝えた上でECに遷移するような導線設計にしています。導線のスムーズさを確保しつつ、“シャツを買う”以上の思い入れを持ってもらう体験が想定されています。

事例③ふくろうアイクリニック

ふくろうアイクリニック
https://ggclinic.jp/

オンラインAGAクリニック「ふくろうアイクリニック」の事業開発にUXリサーチを活用した事例です。

事業開発にあたり、AGAクリニックに対するイメージやターゲットのインサイトを抽出。事業上の強みの構築やコンセプト設計に活かすため、市場やユーザーのリサーチを行いました。

リサーチの結果、明朗で安心感のある月額制の料金プランや、オンライン診療が可能な手軽さ、継続のしやすさ、治療の全体像のわかりやすさなどをユーザーは求めていることがわかり、これをサービスに反映しながら事業を形にしていきました。

ふくろうアイクリニックでは、サービスサイトの公開およびサービス提供開始後も継続的に定量・定性調査を行い、UI改善などに取り組むことで、80%以上のユーザーから好評価を獲得しています。

ユーザーの喜びと結びつくUXリサーチを行うには

UXリサーチを行うことで、ユーザー自身も気づいていなかった思考や感情、ニーズを把握することできます。

そのうえで、開発チーム全体が「ユーザーの体験」に目線を合わせて、イシューを当事者として捉えることで、ユーザーのベネフィットにつながるプロダクト開発・サービス開発を行うことができるようになります。

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