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タレントプール

Talent pool

タレントプールとは?企業が人材採用するための中長期的手法

タレントプールとは?タレントプールの意味・定義

タレントプールとは、将来的には採用したい優秀な人材の情報を蓄積したデータベースです。プール数を拡大/保持することが重要とされており、その活動を含めてタレントプールと呼ぶケースもあります。

タレントプールには、採用候補になりうる人のデータを蓄積していきます。例えば「一度は選考に進んだけれど辞退されてしまった方」や、「そのときの募集ポジションにはマッチしなかったが魅力的だった方」、社員の知り合いや過去の退職者などです。採用ニーズが生まれたときにタレントプールから人材を探すことで、都度ゼロからアプローチしたり、母集団形成をしたりせずに採用が可能になります。

タレントプールを効率的に採用につなげるデータベースリクルーティング

「タレントプール」という言葉自体に、そのデータを有効活用する活動が含まれるケースがあるとお伝えしました。ただし厳密には、タレントプールを採用に活用していく施策は「データベースリクルーティング」といいます。

データベースリクルーティングは、顧客情報を活用してさまざまな施策を打つマーケティングの発想、「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」に近い考え方です。データベースにプールしている採用候補者の情報を元に、自社の情報を発信したり、イベントに招待したり、定期的にコンタクトを取るなどして、関係性を構築していきます。

そういったリレーションシップ・マネジメントの結果、採用候補者の自社に対する理解が深まり、人材側に転職ニーズが発生したタイミングで想起してもらいやすくなったり、オファーを出したときに入社を検討してもらいやすくなったりするのです。

タレントプールは大切なものですが、データを蓄積するだけではあまり意味を成しません。そのデータをどう活用するかまで考えて取り組む必要があります。

タレントプールの活用がリファラル採用に偏らないために

タレントプールを構築するにあたって起こりがちな失敗例が、「自社の社員が人事に紹介できるかもしれない人」を候補者として取り集めた、リファラル採用候補のリスト化に終始してしまうケースです。

ここでいう「リファラル採用」とは、社員の知人や元同僚などを紹介してもらい、採用につなげていく採用手法のこと。それ自体は有効な施策になりえますが、リファラル採用のためのリストの作成とタレントプールの取り組みを混同することは避けたいところ。

もちろん、優秀な社員の知り合いに優秀な人材がいるケースは多いため、リファラルしたい人がタレントプールに入っていることはあるでしょう。しかし、「知り合いだから」「丁度この会社に合いそうだから」といった理由でタレントプールに追加していくのは考えものです。社員の自己判断だけでは、将来的に採用したい人材かどうかを正しく認識できない可能性があるためです。

タレントプールによって採用進捗を加速させるためには、どのような人をプールしておくのか、その基準をある程度には明確にしておかなければなりません。例えば経歴や保有している資格などのわかりやすい要件に加え、自社の理念や組織文化に適合しそうなタイプかなど、可能な範囲で判断できる要素を作っておくことで、タレントプールの「社員の知り合いリスト化」を防ぐことが必要です。

企業の組織戦略におけるタレントプールの重要性

タレントプールの構築は、企業の採用活動において非常に重要な役割を担いますが、そもそもなぜタレントプールが重要なのか、その理由を解説します。

人手不足による採用競争の激化

これまでの採用活動といえば、採用ニーズが発生してから募集をかけ、集まった人から選ぶというのが基本スタンスでした。しかし、このやり方は通用しなくなってきています。働き方の多様化や少子高齢化による労働人口の減少により、募集をかけても要件を満たす人が集まらず、思うような採用ができなくなっているのです。

そもそもの採用候補になる母数が減る中で優秀な人材に出会うためには、都度母集団を形成するのではなく、常に人材を探し、長期的に接点を持つ取り組みが必要です。

優秀な人材の流動性の低下

特に中途採用で顕著ですが、上記のような優秀な人材の確保が難しくなっている社会的状況を背景に、各企業は「社員の定着」のための施策により注力するようになっています。また、中途のマネージャー層で能力が高い人の場合、現職で重要なポジションについており、やりがいもあり、簡単には現在の勤め先を辞めません。

ゆえに、そういった人はそもそも採用市場に出てきにくくなっています。それでも将来的に自社で働いてもらうためには、本人の転職ニーズがない段階で接触し、長期的にリレーションをとるしかありません。必要な要件を真に満たすような中途の優秀層を採用するためには、タレントプールが必要不可欠なのです。

タレントプールの構築、運用方法、事例

タレントプール=リファラル採用候補者リストではないとお伝えしましたが、自社のタレントプールに採用候補となる人材をプールし、採用活動に生かしていくにはどうしたらいいのでしょうか?ここでは、タレントプールの構築、運用に使える手法を紹介していきます。

タレントプールの構築

タレントプールを立ち上げる初期段階であれば、まずは過去にタイミングが合わなかった採用候補者や内定辞退者、退職者、経営層の知り合いでぜひ入社してほしい人などをデータとして追加していきましょう。

そこからさらにプール数を増やしていくにあたっては、以下のような取り組みがよく行われます。

採用を目的としたイベントやミートアップの開催

採用を目的としたイベントやセミナー、ミートアップを開催し、採用候補者と直接交流する方法です。会社説明会に近しいものから、カジュアルな交流会まで、考えられる内容はさまざまです。こういった場で接点を持ち、自社に合いそうだと思った人はタレントプールに追加していく形になります。

こうした交流会やイベントでの注意点は、採用ターゲットを絞って企画・設計していくことです。ターゲットが興味を持ちそうなテーマを選択し、たとえ採用活動の一環でというのがわかっても参加したい、魅力的だと思える内容を企画しましょう。

リクルーターの設置

リクルーターとは、採用候補者の獲得を専門的に担う存在です。採用候補者がいそうな場所に出向いて接点を作ったり、周囲に紹介をお願いしながらタレントを探したりといった地道な活動を担当します。すでに幅広い人脈を持っている人などがリクルーターになることが多く、その人を起点に自社にマッチする人材との出会いを増やしていけます。

媒体を通したスカウト

スカウトができる媒体を使って、タレントとの接触を計る方法です。優秀な人材はなかなか採用市場に出てこないものですが、スカウト系媒体にとりあえずプロフィールを置いている人は一定います。転職意向が低い段階でも、スカウトであれば接点を持てるかもしれません。

大学(学部、ゼミ、研究室など)との連携

新卒採用向けですが、大学のゼミの教授や学部長などと定期的に接点を持っておくことで、まだ就職活動を始めていない段階の優秀な学生にアプローチできる可能性があります。ゼミや学部向けのイベントの開催なども、早期から関係を構築するきっかけとなります。

プールしたタレントとの接触方法

いろいろな方法でプールしてきたタレントのデータを採用に活かすためには、定期的に接触する必要があります。そうすることで、転職ニーズが生まれたときに選択肢に入れてもらえたり、タイミングよくオファーを出せたりするのです。

しかし、この定期的な接触がうまくできないという企業は多いです。前述したリクルーター的役割を設置することでリレーションをとっていく手法が最も確実ですが、全員にそういった対応をするのは難しいでしょう。ほかの手法も組み合わせながら、ターゲットにあったアプローチを考えていく必要があります。

リレーションのための採用イベント

イベントやミートアップは新たなタレントに出会う施策でも挙げていますが、リレーションにも効果的です。初めての接触から採用に至るジャーニーの中でどのようにイベントを位置付け、どのような役割を担わせるかを考えていきましょう。

新規の接点を主目的とする場合でも、タレントとのリレーションを主目的とする場合でも、セミナー・イベントの内容が重要であることは変わりません。有益な情報を提供することが企業への好印象に繋がり、将来的な入社の可能性を高めてくれます。

副業で関わってもらう

本来であれば正社員として働いて欲しい優秀な人材と、副業という形で関わりを持つ方法も有効です。最近は副業が盛んになっていますし、現職を退職せずに関われるなら候補者側のハードルもかなり下がります。働きながら相性を見られるのは、企業/候補者の双方にとって大きなメリットです。

タレントプールを活用して能動的な採用活動へ

タレントプールは、従来の受動的な募集を主体とした採用手法とは異なり、企業にとっての優秀な人材を定めた上でデータベースとして蓄積し、関係性を築いていく能動的な手法です。採用市場の変化によりこれまでの手法では思うような採用ができなくなる中で、タレントプール構築の重要性は確実に高まっています。

タレントプールを上手に活用していくためには、自社の採用ペルソナを定義しそれに沿った人材のデータを増やしていくこと、さらにプールした人材と定期的に接触し、関係性を築いていくことが重要です。これらの点に注意しながら、タレントプールを採用に活かしていきましょう。

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