サービス設計とは、主に事業立ち上げの際に①事業戦略や構想の組み立て/プロトタイプ化、②事業とユーザーをつなぐデリバリー、の2点に主眼をおいて行われる設計のことであり、サービスデザインプロセスの中の一部となるものです。

事業立ち上げの際には、事業戦略や構想を組み立てるとともに、最終的には価値をユーザーにデリバリーできるようにする必要があります。構想段階に過ぎないサービス（＝提供する価値）を事業として成立させる方法を考えてビジネスモデルを設計しつつ、実際のプロトタイプを作ることが必要です。

同時に、対象になるユーザーへの理解を深め、どのようなタイミングで、どのような場所で、どんな心理やニーズがあるときに使われるサービスなのか、さらにどうすればターゲットに接触でき、利用や購入といった行動につなげられるのか、具体的なデリバリーの方法を考える必要があります。

サービス設計において、具体的にどのようなことを行うか。明確な定義や、「こうやれば完璧なサービス設計ができる」という方法は存在せず、状況に合わせて検討されるものではありますが、基本的な内容として以下が挙げられます。

サービスが提供する価値や届けるべき体験を言語化することです。どのような価値が在るサービスで、なぜそれが今必要なのか、何が新しいのか、どこにオリジナリティがあるのかなどを言語化することで、サービスの軸が定まります。

市場やターゲットユーザーの定義を意味します。市場調査およびステークホルダーリサーチ、ユーザーリサーチを経た上で、市場規模やターゲット、そのニーズなどを定めていきます。

事業として成立させていくために、数値面での評価基準を定義していきます。サービスの価値やユーザーに提供すべき体験からスタートし、それを数値に落とし込んでKPIとします。

サービスブループリントとは、サービス提供の一連の流れにおけるユーザーの体験とサービス提供側の動きを時系列で表すダイアグラムです。ユーザーの動き、サービス提供者や裏側にあるシステムなど、ユーザー体験と業務提供プロセスの2つを視覚化できます。

サービスブループリントで明らかになったサービス提供側の動きについて、オペレーションプロセスなどを可視化します。ユーザーと直接かかわる動きだけではなく、それを支える内部やり取りも可視化することで、早期からUXを最適化でき、効率的にサービスを形にしていくことが可能になります。

事業とユーザーがどのような接点を持ち、商品やサービスがデリバリーされるのかを可視化します。そうすることで、サービスのプロトタイプから効率的にターゲットに届け、フィードバックを得ながらサービスを磨いていく流れをスムーズに進めることができます。